もうおやすみなさいブログ

みんなをおやすみさせるブログです。

おしゃれな終わり方

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口座を作るために久々に銀行に行きました。

手続きを待っている時、「振り込め詐欺に注意!」の案内が目に入りました。その案内にはアイキャッチの画像のような、電話の向こうに恐ろしい犯人がいるというイラストが描かれているのですが、これってどうなのかなと思っています。(アイキャッチのいらすとや様に文句があるわけではありません。いらすとや様はこの世で一番えらいです)

当時はオレオレ詐欺でした。「あ、母ちゃん?オレオレ」と電話がかかってくることからその画期的な手法に名前がつけられたのです。しかし、その被害額の大きさや、手口の巧妙化により、「オレオレ」のようなキャッチーでライトなイメージをつけていては危機意識が低くなると、「振り込め詐欺」という名前をあえて使い、被害者予備軍の意識を引き締めようとしたのです。そこまでしておきながら、なぜイラストはこの昔のオレオレのままなのでしょうか。電話口の向こうにいる人間がいかにもな犯罪者というイメージがついてしまい、逆効果だと思います。

実際電話をかけてくる犯罪者は劇団ばりに練習を重ねてきた完全な偽装善人のはずです。

 

「バカヤロー!弁護士より弁護士!警察より警察!オレよりオレになれって言ってんだろうがコノヤロー!石原てめぇはとれぇんだよ!」とか言われてるんでしょうね。

 

そんだけやり込んでいるんです。それなのに「電話口の向こうにはこんな犯人が!」みたいなイラストを、若頭に調教された、叩き上げ振り込め詐欺師が見たら、俺たちの頑張りをなめてんのかってなるんじゃないでしょうか。

僕なら、電話口の犯人のイラストはものすごい端正な顔立ちの、若い頃の美輪さんくらいの顔を書き、そこに大きく赤いバツをつけますね。

 

と、考えたりしていたのですが、アートではなくデザインの目的を持ったイラストは、ターゲットが明確になって初めて正解の基準が生まれることを忘れていました。

今回のターゲットは誰か。それは振り込んでしまう高齢者です。高齢者への注意呼びかけが目的です。そうすると、僕のいう美輪さんに大きなバツ(美輪様が悪いわけではないです。端正な顔立ちとして美輪様を出しただけです。美輪様はこの世で一番えらいです。)をつけたイラストが果たして高齢者に伝わるでしょうか?伝わるわけがありません。そうすると、「電話口の向こうに悪い人がいる」というわかりやすいイラストと、「なぜか若い頃の美輪さんが電話をかけてきて、その美輪さんにバツがついている」イラストだったらやはり前者を採用するでしょうね。

 

んー。。ターゲットに合わせて最適化していくものがデザインだとするなら、大高齢化社会を迎える日本から新しいデザインって生まれるのでしょうか。。新しいというと語弊がありますね。新しいというか、斬新というか、勝負した感じというか。高齢者が増えると、受け手のことを考えて最適化していくデザイナーはフォーカスを高齢者に合わせていく流れが自然だと思います。温故知新を忘れているわけではありませんが、衰退の一途を辿りそうですね。

新しいものや今までなかったものを作り出すには、新しい人でその場をより多く占めていく必要がある。子供をもっと産まなくちゃなという気分になるのでした。

 

おやすみなさい でも今日はおやすみの前に少しパートナーを誘ってみて。