騙された男
今朝、ベンチに座って電車の到着を待っていました。僕の隣にはおじさんが一人座っていました。電車が到着し、僕もおじさんも乗りこみます。僕はお尻ポケットに物を入れることが多く、気づいたらお尻から鍵が落ちてたり、携帯電話が落ちていたりすること頻度が高いので、振り返って自分が座っていた席に物を落としていないか確認する癖がつきました。今日もいつものとおり、落し物確認をするために振り返ります。すると、僕が座っていた席の隣の席に何かチケットのようなものが落ちています。なんのチケットかな?とよく見ると、1日乗車券と書いてあるではないですか!1日乗車券と言えば、電車の神に許されたオリュンポスのえーと、ゼウスのひたいから生まれたえーと、あの、神チケットです!とにかく大変なんです!
電車はすでに到着し、ドアは開いています。ドアはだいたい10秒くらいで閉まるので、僕はこの1日乗車券をどう処理するか10秒で考え、行動しなければならない状況に追いやられたのです。ジーザス。
まず、この落し物が誰のものなのかを考えなければなりません。隣に落ちていたからおじさんのものである。とまずは思ったのですが、よくよく考えたらおじさんが隣に座っていたか、一個挟んで隣に座っていたかイマイチ覚えていないのです。もし、おじさんが一個挟んで隣に座っていた場合、この1日乗車券はおじさんのものではないということになります。
「おじさん!1日乗車券落としましたよ!」
「···え?なんですか?私のものではないです。気持ち悪い」 GAME OVER
バッドエンドになってしまう。傷つきたくないんですよ僕は。
じゃあ見逃すのか?落としていることを気づいていながら何も行動せずに無視して生きていくのか?生憎この「とくめきメモリアル」には無視するって選択肢は用意されてねーんだぜ!
そんな僕のたくましき精神性に応えるかのように神からお告げが降りてきました。(現在5秒経過)
「ふみひこよ。臆さなくてもいいのですよ。人間は自分の落し物ではないものを届けられても、気持ち悪がったりはしないのです。さあ間違えててもいいから、落し物の1日乗車券を届けてあげるのです」
主よ
僕は9秒ギリギリで時を止めて、おじさんに届けようと、1日乗車券を急いで拾ったその時
「1日乗車券 4月26日のみ有効」(今日は5月2日コニーちゃんの日)
と書いてあるのが目に入りました。
使い終わったらならすぐ捨てろハゲ!!!!
ゴミチケットを拾うか拾わないかで死ぬほど悩んだ自分を今日はいっぱい抱きしめようと思います。
あと、神のお告げが聞こえたことに関しては、もうあんまりお酒とか飲みすぎないようにしなくちゃなって思ったのでした。
おやすみなさい